障害基礎年金の請求手続きなどについて
20歳になって初めての障害基礎年金の請求について
障害基礎年金は、障害の程度が変わらなければ一生涯受け取れますので、生活していくうえで、とても大切な年金だと思います。
したがって、20歳になってからの「初めての障害基礎年金の請求」は、早めにしっかり準備して行うことが大切です。
~一番大事な提出書類は、医師の「診断書」です~
重要な提出書類 医師の「診断書」とご本人とご家族が記入する「病歴・就労状況等申立書」
請求にあたって、一番重要な提出書類は、20歳の誕生日の前日の前後3ヵ月以内の医師の「診断書」です。知的障害があるご本人が20歳を迎えると、障害の程度によって障害基礎年金(1級、2級)を受給することが出来ます。その障害基礎年金を受給するには、まず障害認定を得ることが必要です。そして、認定を得るための最も重要な書類が、医師による「診断書」です。その診断書の内容次第で、障害認定(1級、2級、不該当)が決まってきます。
かかりつけ医に、一年前から相談を!
医師には、20歳の1年程前から相談してください。かかりつけ医がいる場合でも、障害年金の請求の「診断書」を書いてもらえない医師もいます。そしてかかりつけ医がいない場合は、「診断書」を書いてもらえる医師を1年前ぐらいから見つけるようにしてください。基本的には、精神保健指定医または精神科の医師が「診断書」を作成します。
医師は、本人の日常の生活を十分掴んでいるわけではありません。したがって、医師に
本人の日常生活にどのような困難や支障があるかを具体的に伝えて「診断書」を書いていただくことが重要です。日常生活の①適切な食事 ②身辺の清潔保持 ③金銭管理と買い物 ④通院と服薬 ⑤他人との意思伝達 ⑥身辺の安全保持及び危機対応 ⑦社会性の7項目について、A4用紙1、2枚に箇条書きで記入したものを渡して話をすれば良いと思います。
日頃、診てもらっている主治医があるかどうか?そして、その主治医とは信頼関係が出来ているかどうか?適切な「診断書」を書いてもらうには、こうしたことも大事です。
「病歴・就労状況等申立書」の記入も重要
次に重要な提出書類は、本人またはご家族が記入する「病歴・就労状況等申立書」です。
この書類は、本人が生まれてから、現在に至るまでの通院歴や生活状況を出生時から
就学前、小学生低学年、高学年、中学生、高校生、その後の就労状況など現在に至るまでと区切って記入する必要があります。
ただし、令和2年10月より知的障害の場合は、特に大きな変化が生じた場合を中心に、出生時から現在までの状況を一括してまとめて記入することが可能となり、簡素化ができるようになりました。
こうした書類を整えて障害基礎年金の請求をお住いの市区町村年金窓口に「届出」します。
障害基礎年金の請求は、
20歳の誕生日の前日から提出可能です
知的障害の場合は、障害基礎年金の請求は、20歳の誕生日の前日からお住いの市区町村年金窓口に提出できます。
一般的な障害年金の場合は、障害の原因となった病気やケガなどで初めて医師の診察を受けた日(初診日)を特定する必要があります。
しかし、知的障害の場合は、年金制度上、出生日が初診日とされていますので特定する必要はありません。保険料納付要件は、必要ありません。
但し、所得制限が設けられています。
前年の所得額が4,721,000円を超える場合は年金の全額が支給停止となり、3,704,000円を超える場合は2分の1の年金額が支給停止となります。
送付されてくる「年金証書・年金決定通知書」記載内容のご確認を!
請求後はおおむね50日程度で「年金証書・年金決定通知書」が日本年金機構から送付されます。
最初の障害年金の振込は誕生日の翌月分から受取月前月までまとめて振込まれます。
その後は偶数月の15日に前2ヶ月分が振込まれます。
(令和7年度の障害基礎年金額は、2級月額69,308円、1級月額86,635円)
現在は障害年金に付随して年金生活者支援給付金が給付されています。
(令和7年度の年金生活者支援給付金は、2級月額5,450円、1級月額6,813円)
確認するポイント
「年金証書・年金決定通知書」の見方で大事なことは、障害基礎年金1級なのか、2級なのか。そして、次回診断書提出年月が記載されているか、記載されていないのかを確認することです。
次回診断書提出年月の欄が※印で消印されている場合は、「永久認定」で、生涯に渡って年金の等級が変わらず、定期的に診断書を提出する必要もありません。
次回診断書提出年月が記載されている場合は、「有期認定」(1年~5年)で、次回更新時の誕生日3ヶ月前に「障害状態確認書」(診断書)が送られてきます。誕生日の月末までに、「障害状態確認書」(診断書)をお住いの市区町村年金窓口に提出します。
国民年金保険料の「法定免除」の「届出」を!
障害基礎年金を受けている方は、「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」をお住いの市区町村年金窓口に提出してください。国民年金保険料が免除されます。
障害基礎年金の「更新時の手続き」について
「障害状態確認届(診断書)」は、大切な手続きです。
日本年金機構から送付されてきた「障害状態確認届」の「更新手続き」も大変重要です。
送付されてきた「障害状態確認届」の「診断書」欄に、医師に依頼して記載してもらい、誕生月の末日までに、日本年金機構に提出する必要があります。日本年金機構が、その「診断書」を基に、引き続き障害基礎年金を受ける権利があるかを審査します。
「診断書」が大切!カギは、医師の判断です
したがって「障害状態確認届」は大事な手続きです。特に、医師に記載してもらう「診断書」は、日本年金機構が審査する「基」となる重要ものです。
したがって、医師には、「家族支援がない状況」「本人一人で生活した場合の状況」を正確に伝えた上で、「診断書」を記載してもらうことが大切です。
そして、医師に書いてもらった「診断書」は、必ず開封、確認し、コピーを取っておき、次回の更新に備えましょう。
障害基礎年金の「額改定請求」について
更新時でなくても、「額改定請求」は可能
現在2級の方は、障害の程度が重くなったら1級の可能性も!
更新時でなくても、「額改定請求」は可能です。
何かの原因で障害の程度が重くなる場合があります。現在受けている等級よりも障害の程度が重くなったら、有期認定の方の更新時でなくとも「額改定請求」ができます。その際に添付する「診断書」が重要です。
障害年金の支給金額は、障害基礎年金の等級で定められています。同一の傷病に関して2級の方が、現在受けている等級よりも重くなったときには、「額改定請求」手続をすることによって、2級から1級に変更となり、障害基礎年金の支給額が上がる可能性があります。
原則としては前回の障害基礎年金の審査から1年を経過しないと「額改定請求」はできません。永久認定の方も、障害の程度が重くなれば、「額改定請求」を提出することができます。
その際の提出書類は「額改定請求書」と「診断書」です。
なお、詳細は、日本年金機構のホームページをご参照ください。。